漫画のあとに本文が続きます。
環境の変化
自由な環境から、右へならえ型の小学校へ移行したあぴちゃん。その環境のちがいへの形式的な順応は早かったので、社会性は高いのだなあと感じたものですが、心は染まっていないのです。たびたび、「当時の環境にもどりたい、あの日々はどんなによかったか!」と話すので、少し胸がギュッとなるママです。
かつての環境と小学校との違いは、あらゆる観点から説明できるのですが、インスタグラムで拝見させていただいているMariko Sさんの作品に紹介されている考え方でも説明できます。その場所での活動がオープンエンドなのか、クローズドエンドなのか、というところです。
オープンエンドとクローズドエンドとは
子どもの活動は2種類に分けられる、とのこと。
Open-ended Activity (オープンエンド アクティビティ)
これは、端的にいうと、お手本のない活動です。目指す結果・目標がなく、子ども自身が思った通りにのびのびと活動に取り組むことを指します。(例:自由に絵を描く)そこにおける大人の役割とは、適切な環境を与えることのみです。手助けや口出しは最小限に止めることが重要です。あぴちゃんが就学前に育ってきた環境です。
Closed-ended Activity (クローズドエンド アクティビティ)
これは目標とする結果が決まっていて、それを目指して活動させることを指します。(例:行事の制作などで決まった折り紙の作品を創る)そこにおける大人の役割とは、正しい方向に導くこと。そして間違いを指摘し、お手本を見せることです。あぴちゃんの小学校はクローズドエンドの考え方に基づいて指導されているようです。
Marikoさんの説明がとてもわかりやすかったので画像を貼ります。(掲載許可はいただいております)
自由がよいか、束縛がよいか
あぴちゃんは、オープンエンド型活動を主にする環境から、クローズドエンド型活動を主にする環境へ移行しているので、独特の葛藤があるというわけですね。これは、終始一貫してクローズドエンド型の教育を受けてきた私からすると、理解しえない葛藤といえるのかもしれません。
自分が環境を与えるなら、どちらがよいかという命題があるとすれば、わたしはオープンエンド型の環境を与えたいと思っているし、家庭内ではそれに近い環境が与えられていると思います。これから中学校に進学させるにあたり、出来る限りオープンエンドの環境を選んで与えてやるという選択肢もあります。
しかしわたしは、究極的にはどちらの環境でもいいだろう。と思ってしまうのです。思考力があり、メンタルが強い子であるのならば、嗜好に沿わない環境であっても、それを逆境に独自の幸せを生きていけるようになるだろうと思ってしまいます。
幸福優位7つの法則という本にも、逆境にぶつからない幸せ、逆境にぶつかる不幸、この二極論で語られがちだけれども、もっとも強力な経験になるのは、逆境にぶつかり再起する幸せである、とあります。わたしは、自分の人生経験から、まさにこれと同様の思想を持っているのです。
逆境は親が与えるものではなく、親はそれを取り除いてやるべきものかもしれません。だけど私は、あぴちゃんをこのままの環境に置いておいても、なんとか自分の独自の考え方や思想を生み出し、素敵な人生を歩んでいくような気がしてならないのです。きっとそうなるに違いないと心のそこから信じているのです。
年端の行かない子をここまで強く信じられるのはどうしてなのだろう、と自分でも滑稽ではあるのですけれども。