SNS発信者のための、誹謗中傷にメンタルをやられない心構え│あぴママびより
誹謗中傷

SNS発信者のための、誹謗中傷にメンタルをやられない心構え

誹謗中傷

現役の22才のプロレスラーの方が、急死したという悲しいニュースがありました。原因は明らかになっていませんが、SNSでの誹謗中傷も要因の一つであったように報道されています。

どんな人でも発信ができ、それに対する反応を表明することも簡単になったのが現代だと思います。不意に誹謗中傷を受けた時にどのように心を守るか。それは誰にとっても必須の知識です。しかし現状では、不幸な誹謗中傷があったときの対応力は個々人の心の許容量やスルースキルに依存します。

誰もが学んでおくべき態度や対応方法がマニュアル化されておらず、誹謗中傷に対して個々人が戦わざるを得ない現状には問題があると思います。

この投稿では、不意に誹謗中傷を受けた場合に、どのように心を守るか。わたしの実践しているいくつかの考え方を提案したいと思います。おもに、何らかの作品をSNSなどを利用して発表している方を想定読者としていますが、誹謗中傷を受ける可能性があるすべての方に、何か得られる視点がひとつでもあることを願ってやみません。

誹謗中傷の実例

Instagramのアンケート機能にて、誹謗中傷の例を募りました。それらを参考として掲載します。わざわざ掲載するのは、未経験者には、まずはどういうものがくるのか事前に知っておくことが安心材料になるだろうと思ったのと、たくさんの人が何らかの形で誹謗中傷を受けているという事実が、仮にご自身の身に不幸が降りかかった時に慰めになるのではないかと思うからです。私自身の経験はアンチコメントへの対応方法という記事にも書いています。

誹謗中傷の手段として多かった順に並べると、Instagramもしくはその他表現媒体のコメント欄、DM、某提示版サイトへの書き込みです。

表現者への批判

作品への批判というより、表現者の人格に踏み込む誹謗中傷が多く報告されました。

  • 「死ね。」「やめろ。」「馬鹿。」などの一言。
  • 「あなたのことは誰も興味を持っていないから消えて。」
  • 外見と性格への誹謗中傷
  • PR案件に協力することに対する批判。例:「なんでも金にしようとするな。」
  • 過去の不幸な出来事をストーリー仕立てで紹介する投稿へ「作品化する神経を疑う」というコメント
  • インフルエンサーに批判されたことにより、その取り巻きのような人から批判を受け、コメント欄を荒らされる
  • Twitterで給付金についての意見を投稿したら、「働いてもないし子ども見るだけの寄生してるやつがふざけるな」というリプライ

閲覧者への批判

 

  • 炎上している芸人のYoutubeに肯定的なコメントを入れたら、叩かれた
  • インスタでクリエイターの投稿に気軽な気持ちでコメントをしたら「あんたの子の育て方が悪いんじゃんwww」という不愉快なコメントがつけられた

日常の一部を写真でInstagramに投稿する楽しみ方をしている方への批判

  • 赤ちゃんの写真を上げた投稿へ「気持ち悪いもの産み落としたね」
  • 子どもの写真の投稿へ「ぶさいくなのによく晒せるね」

 

誹謗中傷のくる投稿の傾向

誹謗中傷の体験談を共有してくださったすべてのアカウントに作品を見にいきましたが、これといった傾向は見つけられませんでした。ただし、いえるのは、やはりフォロワー数の多いアカウントにはそういった誹謗中傷が集まる傾向があるようです。わたしが見つけた傾向は以下のとおりです。

  • フォロワー数が500人を超えたら要注意。必ずいつか誹謗中傷を受けることを予想しておく
  • PR案件を受けたら、ある程度の批判は予想しておく
  • 協力してくださった方の傾向かもしれないですが、育児を扱う絵日記アカウント、また恋愛に関する絵日記アカウントによる被害の報告が多い気がしました…

 

誹謗中傷を受けたときの心の守り方

自分の作品や自分の人格に対する誹謗中傷を受けたら技術的にはどのように対応するべきか。それについては、アンチコメントへの対応方法という記事に書きました。今回は、誹謗中傷を受けた際に、少なからず傷つく自分の心をどうやって立て直すかというところに焦点を当ててみます。

誹謗中傷がきた場合に、以下のことに取り組んでみることをオススメします。

  1. 誹謗中傷を行うアカウントに自分の周りにいるような人間を当てはめて想像しない
  2. 誹謗中傷を行う相手の人格を分析する
  3. フォロワーに誹謗中傷を受けた、と報告する

ひとつひとつ見ていきます。

誹謗中傷を行うアカウントに自分の周りにいるような人間を当てはめて想像しない

経験をもとにお話します。一生懸命書き上げた表現への誹謗中傷がくると、自分のなかで被害者意識が強くなり、その数件の誹謗中傷の割合を実際よりずっと大きく捉えがちになってしまいます。まるで、いつも読んでいただいているファンの方の一部や、自分の周りにいる友達のうちの一人から自分の考えや人格を強く否定されたような気にさえ陥ります。

しかし冷静になると、これは間違っていると思います。あなたの周りにいる人やあなたのファンは、あなたと同じような考え方や価値観を持っている人である可能性が高いです。ことわざでいう「類は友を呼ぶ」というやつです。

誹謗中傷をしてきた顔の見えない相手に、あなたの知っているごく身近で親しい人の人格をあてはめてしまわないように気をつけた方がいいと思います。おそらく相手は、あなたの周りにまずいないような、すこし突飛なタイプである可能性がとても高いのです。

誹謗中傷をする相手の人格を分析する

これは、実際にわたしが誹謗中傷を行ったときに実践してみて効果があったことです。誹謗中傷を受けたら、誹謗中傷を行う人の生活や性格、価値観を細部まで自分なりに想像し、分析をしてみると、だいぶ心が楽になります。

紙を一枚用意し、対象の人物のイラストを描き、生活レベル、価値観、性格などを一生懸命想像して、横に箇条書きで書いていきます。ポイントは、絶対に悪口にならないようにすることです。やりたいのは分析であって、呪いをかけることではありません。

  • 年齢
  • 価値観
  • どういう家庭で育ったか
  • 年収
  • 家族環境
  • 友達の種類や数
  • 趣味や嗜好
  • 余暇時間の過ごし方

これを徹底的にやりこむことによって、ある事実が見えてきます。それは、この人物があなたの作品のターゲット層ではないということです。どんなクリエイターにもこういう人に作品を届けたいな、という簡単な人物像があると思います。メインターゲット層というものです。このワークから見えることは、誹謗中傷を行う人物が、メインターゲット層に取り込める可能性もなく、取り込みたくもない人物であるということです。このことを腹の底から理解できると、いろんな意味でとても冷静に、この人たちを「無視」することができます。

誹謗中傷を受けた、とフォロワーに報告する

これは最後の手段です。誹謗中傷を受けたとフォロワーに報告することで、フォロワーから慰めてもらうという算段です。いわば、意図的なかまってちゃんです。これはわたしも何回か実践したことのある方法ですが、即効性があります。

誹謗中傷によってダメージを受けた自尊心が、フォロワーが慰めてくれることによって回復します。投稿にて報告、Instagramならストーリーズにて報告、などでもいいかもしれません。フォロワー全員への共有がはばかられたら、親しい人限定公開のストーリーズなどでもいいでしょう。どんな方法にせよ、必ず優しい方が声をかけて慰めてくれます。(わたしも何人もの方に慰めていただき、とてもお世話になりました。ご恩は忘れません。)

フォロワーからの慰めがなかったら、あぴママにご連絡ください。わたしが責任を持って慰めます。

最後に

どんな作品であっても、他人に面白いと思ってもらえるような作品性は、世の中で普通とされている感覚と作者の感覚の差異から生じるのではないか、というのがわたしの持論です。その差異をうまく表現できると、多くの人の心をとらえます。しかし同時にそれは、ある種の人々の心をざわつかせるという矛盾もはらんでいます。クリエイターが苦しむのはこの部分です。

実際に誹謗中傷を受けて、作品性をだんだんと失っていく作者もいれば、作品を作ること自体を辞めてしまう人もいます。わたしは、そのことをとても残念に思います。表現活動は心の強い者だけに許された活動ではないはずだからです。

法改正や、プラットフォーマーへの責任を増やすことなどにより、いずれ、驚くような誹謗中傷は少なくなっていくだろうと思います。しかしそれまでの間、より多くの人に、誹謗中傷から自分の心を守り、表現活動を長く続けていってほしい。その思いでこの記事を書きました。

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