他人がわたしをつくるという漫画にたいして、普段どんな本を読んでいるのかという質問をいただきました。普段は仕事に関わるものが中心で趣味の本はそんなには読んでいません。読むジャンルにこだわりもありません。とりあえず6月に読んだ本を紹介します。もし需要があれば7月以降も投稿します。なければ今回で終わるかもしれません。
『夏物語』川上未映子著
これはひとりの女性が子どもを産むべきか産まないべきかという究極的な人生の問いについて悩むということが主題になった話です。主題について一歩一歩進展しながら、主人公の周りを流れる世界が主人公の決断に影響を及ぼしていく様子が繊細に描写されている小説です。
SF小説とか推理小説などは、ただただ話の流れが気になって読み進めるという塩梅ですが、この手のアップダウンの少ないフィクション小説をよむ楽しみは、自分が普段もやもやと感じている気持ちを言い表してくれる言葉を発見することです。
この『夏物語』は、日々のちょっとした違和感、そして意図せずに与えられた女性性を生きていく違和感を見ないふりして生きていくことができなかった人が主人公です。だからこそ、この小説からいろいろな言葉を得ました。このへんとかとても好きでした。引用します。
言葉って通じますよね。でも話が通じるってことって実はなかなかないんです。言葉は通じても話が通じない。だいたいの問題はこれだと思います。私たちは言葉は通じても、話が通じない世界に生きているんです、みんな。
幸福優位7つの法則 ショーン・エイカー著
普段は本を読み終わったらすぐに手放してしまうのですが、この本は1年間は手元においておきたいと思ったほど面白かったです。すごく簡単にこの本を要約すると、「人生に成功したから幸せになるのではない、幸せだから成功する」という事実を科学的な裏付けとともに証明している本といえると思います。
子どもは親の期待どおりの傾向を示す? -ピグマリオン効果-という投稿でご紹介したピグマリオン効果という概念はこの本で学びました。
また、逆境に立ち向かって幸せになるほうが、いわゆるレールに沿った失敗のない人生よりも、幸福度合も高く洞察力が増すという考え方には、かなりうなずけるものがありました。何度か読み返してこの理論を自分のものにしたいと思っています。
あと一冊本を読んだのですが、そちらはあまり面白くなかったのでご紹介を割愛します。