すみません。急な独白ですが、「もう、わたしは、終わったな」と思っています。
わたしの人生は、終わりです。
数年前に会社員勤め、すなわち、社会への参加を辞め外出しなくなったあたりから、少し終わりを予感しておりました。そして、少々揶揄と冗談を込め、自分のことを「もう隠居してるので…」と人に説明したりすることもありました。
ここ最近、この「終わり」という状態にますます確信を強めています。
わたしは、公式に、隠居しました。
隠居とは、みんながいいと思う価値基準を捨て、自分の基準にのみしたがって生きることです。
隠居もすぐには板についてくるものではありませんが、板についてくると、みんなより上とかみんなより下とか、まったく気にならなくなります。いつでも自由自在にあらゆる場所をいききできます。
だいたい実生活のわたしは落ち着きもないし、空気も読まずに自分の基準で動くので、ときに失礼なことをしでかすこともままありますから、謝ってばかりです。
そして、隠居すると、社会的な地位とかその地位に求められる儀礼としての親切など、体裁にいっさい興味がなくなるので、誰かに何かしてもらうとただ単純に、「うれしい」「ありがとう」と言う気持ちになりますから、とにかく、人と接するたびに、感謝の気持ちがこみあげ、感謝してばかりです。
謝ってばかり。無駄に感謝してばかり。
そんな底辺の隠居生活を続けると、だんだん不思議なことが起き始めました。今日はそのことがテーマです。
もう降りたい人。捨てたいけど、捨てられない人。まだしがみつきたい、でも手放した先には興味がある。そんな人に読んでほしい漫画を描きました。
もう降りてしまおう、その、死ぬまで続く無駄なレース。

