これは、仕事をともにするパートナーの言動から着想を得た話です。その人はとても優秀な人です。そうそう比較するものではないけれど、人材として私にはない良さをたくさん持っていて尊敬に値するかたです。
その人は、私からするととんでもなく深淵で誰より深い知識を持ちながら、他人の話を大変よく聞くのです。私はその様子をみて、たびたび思うのです。
「この人はなぜ自分より知識のないとわかりきっている、素人に毛がはえたような専門家の話をこんなに一生懸命聞き、なにかを学ぼうとするのだろう」
と。ほんのたまに、苛立たしさすら感じます。私からすると、話者はその人の知識レベルに遠く及ばないからです。
で、ふと気づくのです。この人が優秀なのは、この態度によるものなのかもしれない、と。どんな人からも何か学べることがあるかもしれない、というその謙虚な姿勢がその人を優秀なものにしているのかもしれない、と。残念なことに私は、いつまでたっても、その人にかなうことはないのかもしれません。