「教育は投資」という言葉にモヤモヤするのですが、あぴママはどう思いますか?
という質問が届きました。最初この質問をみたときに、とても興味をひかれました。私は全くモヤモヤしないので、理由が想像できなかったからです。
Instagramの質問箱だったので、質問主さんにその理由を問い返してみようかしらと思ったときには質問主さんがどなただったのかわからなくなってしまいました。ですので、同じようにモヤモヤする方がいらっしゃるかな、と思いインスタグラムのフォロワーさんにストーリーズで質問してみたのがことの発端です。関心率が非常に高く200名以上の方が理由を回答してくれたのです。
今日はそれを簡単にまとめます。私見と反対側の意見というのは面白いものですから、モヤモヤ感がわからない方にはけっこう参考になるのではないかな、と思います。まずは、モヤモヤする理由と教育のゴールの考察についての漫画をどうぞ。
「教育は投資」にモヤモヤする派の理由
「教育は投資」という言葉にモヤモヤしてしまう方々の理由をいただいたのでいくつか例にあげます。
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将来子どもに「金銭的に頼りますからね」って気が満々な気がして少しモヤモヤします
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投資は利益を求めるものですが、子どもと利益って言葉がなかなか結びつかない
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その言葉からは不必要に親の願望を強く感じる
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投資できるだけの財がないとそもそもできないから持つものと持たざるものに分かれちゃう気持ちになる
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長い目で見ると投資なのかもしれないが投資と思って教育はしたくない
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響きが博打っぽいから嫌
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「教育は」となると「親のため」の部分を感じてしまうから
また、ご自身は「教育は投資」という言葉に違和感を感じていなくとも、モヤモヤする人の心について客観的推察をくださったかたがいらっしゃいましたのでご意見を合わせて紹介します。
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投資というと見返りを求めているような印象を受けるからダメなのでは?無償の愛こそ正義!という感覚なのかも
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金融機関勤めですが、日本人は投資という言葉にマイナスなイメージが根強いと思います
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投資イコール物やお金を想像してしまい、子どもとそれを一緒にするような気持ちになっているのでは?
あぴママの私見
漫画には描きましたが、私自身、「教育は投資である」という言葉にこれまでまったく違和感を感じたことはありませんでした。私が投資するけれども、回収はどうしたって私にはできないのだから娘自身がする、と言う意味での投資です。ですので、回収を親がする、という印象を持ってしまう方々の意見を目にした時に、逆に目から鱗が落ちた思いでした。なるほど、そういう捉え方をする場合もあるのか…!と。
約30%近くの方々がこの言葉に違和感を感じるということなので、この言葉には少し気をつけたほうが無難そうだな、とおもいます。
学力の経済学について
漫画の中でご紹介した本はこちらのエントリで紹介したこともあります。
娯楽の時間を積極的にもつことがどうも苦手で、好きなはずではあるのだけれど映画などもめったに見ることがありません。家で仕事ができることも災いして、ちょっとまとまった時間がとれそうだったらついついパソコンを開いてしまう日々です。 […]
子どもが小さい頃にお金をかければかけるほど、子どもの生涯年収が上がるなどことなど衝撃の統計結果などについて示されています。この一件だけで見ても「教育は投資」という言葉は、回収先が子どもであるという前提にたつかぎり間違いとはいえなさそう。
私は五年前にこの本を読みましたが、ひとつ大きな影響を受けた箇所があります。それは「ごほうび」の設定の仕方に関する箇所です。皆さんは下のうちどちらが効果が高いごほうびの設定だと思いますか。(片方はとても効果があるご褒美で、もう片方はまったく効果がないご褒美です。)
- 「1時間勉強したら、勉強が終わった後にお小遣いをあげるよ」
- 「テストで良い点をとったら、お誕生日にお小遣いをあげるよ」
実はこれは前者らしいんですね。こういう面白いファクトが理由とともにたくさん詰め込まれていて、読み物としてふむふむ面白い本です。5年前ということでちょっと古いのが難点ですが、けっこう簡単にさくさく読める本です。
Twitterでも随時、そのときに考えていることなどつぶやいていますのでお気軽にフォローください。
つぎは「我が子が学校にいきたくないと言ったなら」ということについて考えてみたいとおもう。これについて意見を表明する資格があるのかは微妙だけど、これについて何年も考えてきたのはたしかなのと、たまに質問がくるのでその質問に答えるようなものを書きたい。
— あぴママ (@apimamabiyori) January 30, 2021
後日談
「教育に投資」という言葉に違和感を感じる方から、本漫画に対する感想をいただきました。インスタグラムにいただいたコメントです。「他者の認知を知る」という観点からいうと私にはとても学びが大きかったので、こちらにも掲載します。
「はい」に一票いれました。私が子に望むことも同じく、豊かで自分自身が幸
せだと感じる人生を送ることです。高学歴、高収入であれば豊かで幸せだとは限らないし、貧しい環境でも小さなしあわせを見つけられる人もいると思います。人生は予測できないいろいろな事が起こるので、その時々で起こった事柄をどう捉えるか次第で不幸にも幸せにもなれるものだと思っています。たしかにお金をかければ幸せになる確率はあがるように思いますが、あぴママさんが言うように親はそれ以上の生き抜く力を子に与えられると思います。
こちらは違和感を感じない派の意見ですがこちらもどうぞ。
私も「はい」に一票入れましたし、あぴママさんの考え方とほぼ同じです
が、「いいえ」の方の気持ちも分かります。投資という表現はやはり生々しくはあ
りますので、そこに育児を絡めてしまうと嫌悪感を感じてしまう方はどうしてもいらっしゃるだろうなと思いました。『子供への投資=子供にお金をかける』という方程式が頭に浮かぶ方は多いかと思いますが、お金だけじゃないと私は思うんですよね。多種多様な考え方を知ることや、ダンゴ虫やアゲハチョウの幼虫を捕まえてきて育てること、図書館で絵本を借りたり、色んな場所をお散歩してみたり…そういった、お金を掛けずに時間を掛けることも投資だと思っています。