【あぴママの本音】大企業を辞めて好きなことを仕事にしたい。大丈夫か?│あぴママびより
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【あぴママの本音】大企業を辞めて好きなことを仕事にしたい。大丈夫か?

大企業で比較的安定的な生活をされている方から、今の生活をすっぱりやめて、「好きなことを仕事にしたい」という人生相談をいただきました。

今回は相談文章をとても長くいただきましたので、個人情報を消した形でそのまま掲載します。あぴママの回答文章もそれなりに長いです。

いつもは漫画をつけるようにしているのですが、ポイントがたくさん織り込まれている相談文章で、ひとつの漫画にするのが困難だったので、今回はほとんど文章のみの記事となります。

同様の悩みを持つ方には参考にしていただけるかもしれません。

2021 年 10 月 15 日のあぴママさんの Voicy「夢は持たないほうが理想に到達しやすい根拠」にコメントしました。その後の放送であぴママさんからコメント返信いただいて、涙が出るほど嬉しかったです。ありがとうございました。

私は、都内在住の会社員。娘の子育て中です。

私からの人生相談は、ウジウジと動けないでいる原因は「あれとこれのせいだ」と過去に縛られて、動けないでいる自分をどうしたらいいかという情けない相談です。

現在、「仕事がうまくいかないこと、義母との付き合いが上手くいかないことは全部自分の性格のせいで、その性格は育ち方のせいで、もっと自分に自信を持てる職業に就いたら全部が解決するのでは?」という突飛な考えに至っています。以下に、諸々の気がかりとその原因と思う私の性格や成育環境について、そして最後に自分の中で至った突飛な考えについて書いていきます。

よろしくお願いいたします。

<普段の生活と義母との関係>

夫と子と 3 人暮らし。義父母が徒歩 10 分圏内に住んでいる。義母に自分の言いたいことをハッキリ言えないことと、義母と衛生感覚が合わないことがストレス。義母の汚いキッチンで作られた料理、汚れの残った皿で食事するのが嫌。でも毎週末「食べに来い」と誘われるため、目をつぶって食べている。調理や片付けも手伝わないと悪いと思うが、不衛生なキッチンに立つのが嫌で体が動かない。また、時折義母が作った惣菜を自宅に持ってきてくれるが、食べたくないのでたまにこっそり捨てている。こんな感情を娘に知られまいと努力しているが、そのあたりの子育て面での悪影響が心配。(誘われると断れない。作り笑顔で対応してしまう。取り繕った人間関係でやり過ごす自分がダメだと思うが、それ以外の方法が見当たらない)

<自分の性格>

「HSP:Highly Sensitive Person」と呼ばれる気質にかなり当てはまる。人に対して敏感すぎて言いたいことが言えない。何かあると相手に悪いことをしたのではないか、自分が悪いのではないかと気になって自分を否定してしまう。何か新しいことに挑戦する勇気や、失敗を恐れないで行動できず、そのためにいつもウジウジとその場で足踏みしているだけになってしまう。敏感で繊細な部分は趣味の面で発揮できているが、仕事と直結していないために、自分を活かせていないと感じる。

基本的にネガティブ思考で、ポジティブなマインドを身に着けて自分の背中を押してあげたいができていない。子どもの頃にもっと勇気を出して挑戦したりすることをしていればよかったのに、もう今さら勇気が出ない。

<成育環境>

父母、兄と4人家族。両親の仲が悪く、幼いころから口喧嘩を隣の部屋で聴いては不安な気持ちを抱えていた。物心つくようになると、父のいないところで母は父を悪く言うようになり、私も父が大嫌いなまま大人になった。母は兄ばかりを褒め、私のことは認めてくれない、という気持ちがずっとぬぐい切れない。描いた絵を見せても、楽器をどんなに頑張って弾いても、「私には分からないから」と言って褒めてくれなかった。

私も子育てをするようになり、そんな母でも私のことを大事に思って育ててくれたんだろうと、今では恨んではいないが、自分の自信のなさや失敗を過度に恐れる性格は、育てられ方のせいではないかと思ってしまう。

汚れを気にして掃除にいそしみ、清潔でないと居心地が悪い気質は、母譲り。父のことも「食べ方が汚い」と文句を言っていたのを思い出す。父はもう 20 年ほど前に病気で他界。兄は「母と縁を切る」と言い、未だに音信普通。私は幼いころから兄の真似ばかりして行動。自分の興味関心を追求するというよりは、兄が興味を持つことに興味を持ち、真似をすれば間違いがなく、自分で考えて行動するという経験がないまま大人になってしまったと思う。

<社会人になってから>

これまで大企業に勤めて 25 年目。入社から10年以上自分の担当得意先の要望を形にする仕事に就き、上長の承認を取って仕事を進めるスタイルではなく、ある程度自分のクリエイティビティを発揮できる楽しい仕事だった。

ある時期に右肩下がりの事業部に役職付きで異動。異動先の上司が論理思考、数字が絶対なワンマンだった上に、同じ部の同僚や上層部との調整が重要。初めてそんなサラリーマンらしい環境に身を置き、コミュニケーション下手な私は苦痛になり管理職を降りた。

そしてそのまま同じ部署で現在も働き続けている。現在は、会社内の承認を得る作業が苦痛。そのための資料作りや伝達ルートへの気遣いなど、調整業務に意味を見出せない。

<今の職場での悩み>

コミュニケーション:会議で発言ができない(口を挟むタイミングが難しい)、要点を整理して話せない、即答が苦手(時間をかけて文章化するほうがよい)。特にテレワークに移行してから余計難しくなった。勤め先でのオンライン会議はカメラ「OFF」が基本で、話している時に相手に聞いてもらっているのか、どんな風に思われているのか、など気になり出すと自分の話に自信が持てなくなってきて萎縮してしまう。

・同僚との関係:ほぼ全員年下、当初管理職で配属されたこともあり壁がある(自分から作っている?)。「本当はできない人だったんだ」と思われる恐怖やプライドが邪魔をしていると思う。上辺だけのコミュニケーションが苦手で、深く興味を持てないと相手に近づくモチベーションが作れず(そもそも飲み会など大嫌い)、オンラインでますます人と距離を縮めることができない。それだから「自分のことを分かってもらえてない」という状態になるのは仕方ないが、分かってもらいたいが故に自分の行動が空回りしてしまう(発言の機会を得ると自分の考えばかり話してしまう、他者の発言の意図をくみ取れない、など)。オンライン会議は毎回緊張を強いられる。

上司のこと:いまの上司は 1on1 で他の部下を悪く言ったり、他部署の社員の動きを否定的に評価することがよくある。特に悪く言っていた部下が異動すると、次のターゲットが悪く言われる傾向にあり、今は私がターゲットなのではと疑心暗鬼になってしまう。またその上司は基本的にネガティブで、自分より「下」と見た相手には自分の威厳をかざすように話をするタイプで、何を相談してもまずは否定から入るので、自分のパフォーマンスがどんどん落ちると感じる。自分を同僚と比較して劣っていると感じてしまい、同僚とのコミュニケーションもますます苦痛になっている。

仕事について:他部門の社員と関わることも多いが、他部門の社員は比較対象にならないせいか安心してコミュニケーションが取れる自分がいる。仕事の責任や役割分担が明確なせいかもしれない。同じ部署の同僚と同じ業務を一緒にやる場合に、どうやってお願いしたらいいか、何をどう話して進めたいいか、全く思考停止になってしまい、ルーティンワーク以外は仕事が全然進まず成果が出せない。また、業務以外でやらされる社内の仕組みに熱意を持って取り組めない。特に従業員のエンゲージメントを高める施策が、形式だけのものに思えて空々しくなり、自分が学校になじめない反抗期の子どものようだと思う。

<「突飛な考え」について>

「好きなこと」と紐づけばもっと楽に生きられるのではという考えが脳裏に浮かぶ。趣味のピアノは苦も無く何時間でも弾き続けていられる。仕事でもこのくらい好きな分野だったら、人とのコミュニケーションも積極的になれて、自分の意見を持って対応できるのではと思う。

ピアノについてなら、どこに課題があるのか、そのために何をすればいいのか、体が勝手に分かっている。仕事でもこのくらい好きな分野だったら、考察~課題抽出~仮説立案~トライのサイクルが難なく浮かんで楽しんで取り組めるのではないか・・・、と「好きじゃない」ことに従事していることが原因で上述した職場での悩みが生まれるように思えてならない。

自分の特性に合った職業、自分の特性を活かせる生き方さえできれば、もっと楽に生きられるに違いない、と藁にもすがる思いに至る。

数年前に自宅を建て替える中で気づいたのが、自分は幼い頃から住居の図面を見ることや、他人の家を外から眺めて間取りを想像するのが大好きだったこと。家づくりに関連することなら労も厭わない自分がいることだった。インテリアコーディネーターの資格を取って転職したい、いずれは2級建築士を目指したいと思うようになった。ただ、前述したように仕事が不得手なために、時間が捻出できない。時間術やビジネススキルの情報を集めてはトライしている。金銭的な面では「老後資金二千万円」が目減りするが2年は無職で食べていける。子どもの教育費はいくらか余裕がある。

しかし、今の会社でそこまで思い悩まずに適当に仕事をしておけば、今後訪れるであろう介護の時期にも、サポート制度が充実しているので安心なのではという考えもある。

以上、自信がなくて決断できない、行動できないだけの情けない状況を吐露しました。ここから先一歩踏み出すためのアドバイスをいただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。りもこより。

<<ここからは、あぴママの回答です。他者軸と自分軸について、義母との付き合い方、HSPとしての生き方、そして今の状況で夢を追うべきか、などについて触れております。>>

りもこさん、ご相談いただきましてありがとうございます。

4000字にわたる相談文章により、りもこさんがいろんなしがらみの中で生きていることが理解できました。

人には二種類のタイプがあるそうです。ひとつは、自分の思った通りにしか生きられない人。もうひとつは、いろいろなしがらみの中で自分の願望にうまいこと折り合いをつけて生きることができる人。

私は確実に前者であり、りもこさんは後者として生きてらっしゃることがわかりました。視覚的なイメージでいうと、私たちはお互いに対岸にいるイメージです。大きな川であり、お互いにその場所で満足しているはずなので、前者が後者にアドバイスができるのだろうかと、はなはだ疑問ではありますが、私なりの考えをまとめてみたいと思います。

すべての文章を拝見して、りもこさんは、社会の中でこそ、自分を活き活きと発揮できる人なのだと理解しました。自分で自分をみとめる、ということができる、ある意味自分の世界を生きる人なのではなく、誰かから評価されること、自分の在り方を社会でのスキルに変換して生きていきたいという明確な基準をお持ちなのだと理解しました。

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