後悔するのがどうしてもいやな性分だったこともあり、ご年配の方たちにあまりに頻繁に「いまがいちばんいいときよ」と言われるものだから、額面通り言葉を受け取ることにしていました。
「そうか。今がいちばんいいときなのか。それなら後悔することのないよう、精一杯今を楽しもう。いちばんいい今、よりたくさんの時間をこの子と過ごすことにしよう」
そう思って子と接していたら、なぜかいつも「今がいちばんいいとき」でした。10年間毎日です。もしかしたら、それは老人たちの「今がいちばんいいときと思って過ごすと自然といつも今がいちばんいいときな心持ちになるよ」というアドバイスだったのでしょうか。
今の可愛さは、小さな頃の可愛さとまったく質がちがうけど、生意気を言ってもいうことを聞かなくても、どうにかなおしておいたほうがいいんじゃないか、とさえ思う部分もやっぱりぜんぶ可愛いくてオリジナルで、世界でいちばん大切なことに変わりはないのでした。
ここからいったいどこまでいけるかな。