私は、その生活の特性上、子どもが在宅しているときはずっと在宅しておりますし、毎日横にいるおばさんの妖精という感じですから、彼女のいろいろをいちばんそばで見ております。そうすると、彼女にはもちろんいろいろな面がありますし、とても反抗期とひとくくりにできないほどに、色濃い特徴をたくさん見せてくれるのです。
彼女はイヤイヤ期もなかったし、思春期もなんだかきているようには見えないのですが、そういうのは親側の主観の問題なのかもしれないな、と自分を見て思うのです。おそらくですが、概念としてイヤイヤ期、反抗期、思春期が全く存在しない国もあるだろうと思います。推測ですが、充分にありえます。
話は一転しますが、あぴちゃんの漫画を描いていると、「あぴちゃん最高!」「本当に面白い子!」などと、あぴちゃんがまるで個性的で特におもしろい子のようなコメントをいただくことが本当に多いのですが、わたしにはそう思えません。
あえて他の子と比較すると、どちらかというと、あぴちゃんはけっこう一般的な感じの子です。
こういったコメントに対して、私がいつも思うのは「ちがう、あぴちゃんが面白いのではない。子どもというのが面白いのだ。」ということです。
我が家は、地理上さまざまな子供が今まで家に出入りしてきましたが、くる子供くる子供、皆とても個性的でキャラクターが色濃いのです。見れば見るほどにおもしろい。
それで、大人もけっこうおもしろいんです。(まぁそれは、子どもみたいな大人とばかり交流しているからかもしれないのですが。)
もう5年ほど漫画を描いておりますが当初から一貫していえるのは、別にあぴちゃんが描きたくて漫画を描いているわけではないということです。あぴちゃんを通してあらわれるきわめて人間的ななにか、を描きたいのですね。ですから題材をしぼらず、これからも漫画を描き続けていきたいなと思います。