おそらく相談者は、生活する中でぱっと目についた権威っぽいものに手軽に聞いてみることで、お手軽に承認を得たかったものだと思います。したがって、相談者からわたしに期待されている答えは、「料理ができなくても、片付けができなくても、あなたは親失格なんかじゃない!」というお手軽なエンパワーメントだったのだと考えられます。(質問のノリも非常に軽いものでした。)
まぁしかし、「あ、自己の基盤が少し揺らいでしまったからお手軽に権威っぽいものから承認を得よう!」というサイクルは、彼女にとってけっして持続可能なものではないのです。この場合、承認の供給元は他者となっており、他者はいつも制御不能なものだからです。
ですから、彼女のことをいちばん思いやった答えというのは、むしろ答えないことだと考え、このような回答としました。
自分の答えはどのように得たらよいのでしょうか?という質問が想定されますが、これはけっして簡単に手に入れるものではないはずです。わたしも、この問題の正解はわかりません。しかし、まがりなりにも自分が今まで自分だけの言葉を編むために何をやってきたか、の片鱗となる軌跡を漫画にしました。こちらは会員様限定漫画となっております。会員様、どうぞご覧ください。
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