毒親の定義はここではおいておき、もしあなたが自分の親が「毒」と感じているのなら、あなたの親が毒親だと強引にも仮定して話をすすめることにしましょう。
私は本気で、「毒親に感謝しましょう」と掲げているわけではないのです。
毒親に対して、感謝するべきとも思いません。恨むべきとも思いません。毒親に対しての気持ちとして目指すべき状態は「無」です。漫画は少しだけその状態に近づくための方法を提案しています。親を恨んで仕方ない気持ちの毒をほんのり抜くことができる気の持ちようを提案できたらいいなと思って描きました。
たとえば、あなたが自分自身の特性と付き合うのにほとほと疲れていて、それが毒親のせいであると思い、やるせない気持ちになったり、とてもいやな記憶が戻ってきて落ち込んだりしていると仮定します。それ自体は、全くあなたのせいではなく、そういう記憶を与えた方に責任があるのだと思います。
だけれども残念なことに、今いやだったり不快に思ったりしているこの時間は、さらにあなたのいやな思い出を強化する時間になります。今日そのような気持ちになるのなら、明日も同じような気持ちになるのです。
もし、今日そのような気持ちになることを抑えることができれば、明日も抑えることができる確率が高まります。被害者であるあなたははなんらまちがったことはしていないのに、被害を受けたほうだけ自分の心をコントロールしなければならないなんて、納得いかないですね…。
でもそれが現実なのです。
さて、いやな気持ちにならないために実質的に何が一番効くか。それは、離れてしまうしかないですね。もう会わない。着信拒否。LINEブロック。
今日すぐに親と離れることはできなくても、少しずつ物理的にも精神的にも離れられるように努力をつづけ、無事10年間くらい離れられたあとに、ふとこの漫画を思い出してみてもらえれば私はとても嬉しいです。